1.家主や不動産管理会社より、ご要望の多いハンディータイプ臭気測定器とは
一般的には、「ニオイセンサー」や「臭気測定器」と呼ばれており、この機械は「目に見えないニオイ」の度合を数値化して、臭気値として教えてくれます。
「臭気測定器」機械本体の大きさは大小ございますが、孤独死などの現場では当然、小型のハンディータイプが活用されております。
マンションやアパートなどの孤独死の現場では、「孤独死現場付近の住民を納得させるためにも是非、小型臭気測定器を活用して作業前と作業後の臭気値を計測して、きちんと消臭が出来ている証拠を見せたい」と大家さんや不動産管理会社より、要望されることも少なくありません。
これは、臭いそのものが目に見えない上に人間の感覚も個人差があり、実際にきちんと消臭されている状況でも、作業前と作業後の状況説明だけでは事故現場付近の住民が納得してくれず、最悪の場合は引越しされてしまい家主の家賃収入の減少に繋がってしまいます。その事態を避けたいと望む家主が多くなっており、特殊清掃の業界では小型臭気測定器の活用が増える一方となっております。
特殊清掃業者の間で使われているこの小型のハンディータイプ臭気測定器は、価格も大小が激しく10万円程度のモノから80万円を超えるモノまであります。
もちろん性能差も激しく、特殊清掃の現場では全く機能とならない機械も存在しております。
これは、今まで1機種しか活用したことがない特殊清掃業者では、各メーカーや機種ごとによる性能差を知る由もございませんが、消臭技術に力を入れている特殊清掃業者は、常に良い機材を活用して、クオリティー高い仕事の提供を努める傾向にあり、孤独死の現場に最適な小型臭気測定器を良く知っております。
2.特殊清掃に活用される10万円程度から80万円を超える小型臭気測定器とは
2-1.OMX-ADM
病院・介護施設 の清掃前後、 腐敗臭など。アンモニア濃度に換算した臭気強度を表示してくれる小型臭気測定器。
特殊清掃の現場で対応可能な、臭気計エンジンを搭載している機材。
価格は13万円程度で売られており、小型臭気測定器の中では、かなりリーズナブルな機材。
2-2.ニオイセンサーXP-329IIIR
XP-329IIIRには高感度酸化インジウム(In2 O3)系熱戦型焼結半導体センサーを搭載しています。
白金線コイル上に金属酸化物を直径約0.4mmの玉状に塗布した後、焼結させた構造です。金属酸化物半導体表面にニオイ分子が吸着すると、その電気伝導度がよくなり抵抗値が低下します。この抵抗値変化をブリッジ回路の偏差電圧として取り出します。価格は30万円程度。
2-3.カルモアNeo Sigma(Σ)
カルモアが提供する高性能なニオイセンサー。本体とセンサーヘッドを別にし、今までは本体丸ごと入らない場所でも測定しやすくなりました。
SDカードによるデータ入出力で、データの取込や本体ソフトウェアのアップデートなども容易に出来ます。
価格は少し割高で80万円程度。
3.安かろう悪かろうが適用される小型臭気測定器
「安いものに良いものはないということで、安いものには安い理由があるものだ。」と言う言葉を誰しも聞いたことあると思いますが、この小型臭気計測器には、『安かろう悪かろう』のことわざが、そのまま適用されます。
13万円程度の小型臭気測定器を以前に使用ことございますが、孤独死現場にて臭気値が1秒単位でコロコロと100以上も数値が上下してしまい、本当にこの機械はどの数値が答え何だろう?と考えさせられました。
たまたま私が購入した機械だけが故障しているのかな?と最初は故障を疑ってみました。
しかしメーカーに聞いてもこれが正常で、他の同業者に同じ機械の小型臭気測定器を使用している方に聞いても、症状は全く同じで結論は故障ではなく、これが性能そのものとの応えでした(^^;)
この小型臭気測定器に関しては、正直言いまして価格の差がほぼそのまま性能差と比例しております。
結論として上記3タイプ(OMX-ADM、ニオイセンサーXP-329IIIR、カルモアNeo Sigma)の中でしたら、カルモアNeo Sigmaしか特殊清掃の現場に有効活用出来ません。
この機械は数値が非常に安定して適切に表示されており、人間の感覚とカルモアNeo Sigma本体が表示する臭気値に大きなズレを感じることはございません。
もちろん特殊清掃業者でもこのカルモアNeo Sigmaを活用しており具体的には、北海道地区では特殊清掃ASIA(北海道江別市)、関東地区ではMIND COMPANY(東京都)とエバーグリーン(千葉県)、中部地区ではレリック(愛知県)、近畿地区ではメモリーズ(大阪府)などが好んで活用しております。
4.「カルモアNeo Sigma」のセンサー値(指標)と取り扱い
4-1.測定開始をする前に
アイドリングのため、測定前に30∼60分程度、洗浄空気下で測定してください。
アイドリング中は測定時間を連続運転モードに設定してください。
センサーの特性上、起動直後はセンサー値が1,000を超えた数値が検出されます。
センサー値が外気で250前後になるまで洗浄空気下でアイドリング測定を実地します。
環境により数値低下までの時間は異なりますが、30∼60分程度で数値が安定します。
4-2.カルモアNeo Sigmaでは下記の指標を一つの目安にしております。
臭い(度合い・濃さ)の参考にされて下さい。
センサー値 | 実用的な意味 | 対策 |
---|---|---|
∼250 | においを感じない快適な空気 | 必要なし |
∼350 | 普通の人でにおいを感じない | 必要なし |
∼400 | 臭気を感じるが特別に気にならない | 必要なし |
∼800 | 臭気を充分に感じ、苦情が出る | 必要 |
800∼ | 臭気が不快感を増す | 急務 |
カルモアNeoSIGMAでは、センサーの測定原理の関係上、人間の感覚では強いと感じないニオイ(エチルアルコールなどの揮発性物質 例:ホワイトマーカー等)でもセンサー値が高く検出されます。
事務所内部などでは気が付かないニオイやガスが存在することがあります。測定毎に条件が一定になるよう心掛けましょう。
5.「孤独死特殊清掃現場で活用する小型臭気測定器の性能差とは」まとめ
- 小型臭気測定器は、安かろう悪かろうが、そのまま適用される傾向にある。
- 家主や不動産管理会社より、孤独死による特殊清掃で作業前と作業後に小型臭気測定器のデータを望まれる傾向にある。