1.事件事故による死亡、お一人での病死のあった部屋に残った悪臭でお困りですか?
ご遺体のあった部屋に、独特のニオイが残って消臭できずに困っていませんか?
部屋の建材や床材をふくめ全てを解体、フルリフォームしなければ悪臭は消えないのか、と悩んでいますでしょうか。
他にも、ニオイが同じ建物内の別の部屋に及び、消臭できないとお困りではないでしょうか。
ご遺体由来のニオイはかなり強烈になるため、賃貸物件の一室でお一人での病死が起きた後、しばらくしてご遺体が発見された場合など、他の住民の方からのニオイについての苦情が大家に寄せられる場合もあるでしょう。
このページでは、事件事故による死亡、病死、自殺などが期間をおいて発見された部屋に、ご遺体由来の死臭、悪臭が染み付いて残ってしまった場合の対処についてお伝えします。
多くは近年の社会問題となっている、孤独死や孤立死が起きた場合でのことでしょう。
孤独死や孤立死とは、何らかの事情で家族、親族や地域コミュニティから切り離された状態の方が、誰にも看取られることなくお一人で最期を迎えられてしまった事態を指します。
多くはご高齢の方、近所に家族親族が住んでいない、一人暮らしの方などにこの事態が見られます。
年齢の若い方でも、一人暮らしの場合の急な身体の不調や自殺などでこういった事態が発生することがあります。
こういったお亡くなり方は大変痛ましいことです。
さらに、ご遺体のあった現場は、長い期間ご遺体が発見されずに放置されてしまうことによって、ご遺体やご遺体由来の影響により部屋にニオイが染み付いてしまったようになること、床材や壁材が激しく損傷されてしまうことも多く見られます。
賃貸物件ですと、次の借主に貸し出す前にこのニオイや損傷が問題になることもあるでしょう。
貸主である大家や、故人である貸主本人の連帯保証人の方にとって部屋全体のリフォーム費用の負担が大きく感じられ、なんとか全体のリフォーム以外にニオイや影響を消す方法がないかと困ってらっしゃる方も多いことでしょう。
2.孤独死現場は、なぜ臭いがとれないのか?
そもそもなぜ、ご遺体のあった部屋に独特のニオイが残ってしまうのでしょうか。
大きな理由は2つあります。
これから1つずつご説明します。
1つは、ご遺体由来の血液や体液が、見た目から私たちが考えるより深くまで染み込んでしまい、それがニオイを放っていることです。
例えば、和室の畳に布団を敷いた状態で、布団の上で亡くなっていた方が発見された場合で考えてみます。
布団を片付けるのはもちろんですが、その下の畳にもご遺体由来の体液や血液が浸透してしまっている場合は、畳をはがして交換する必要があります。
いったんご遺体由来の血液や体液が染み込んでしまった家具や床材を消臭して使用するのは大変困難なため、交換が妥当でしょう。
畳の下の板張りの部分にもご遺体由来の血液や体液が染み込んでいる場合は、その部分の板も交換することになります。
2階以上の建物にてご遺体が発見された場合、階下の天井にも影響が及んでしまうケースも珍しくありません。
階下の天井板についても交換、リフォームする形になる場合もあります。
ご遺体の見つかった現場の清掃、原状復帰の作業は特殊清掃と呼ばれます。
こういった特殊清掃の業者は、作業の際に部屋の片付けのみでなく、床材や壁材をはがしての点検を多く行います。
建材へのニオイの影響を取り去るためには、必要不可欠な作業です。
また一般的に、ご遺体の発見に時間がかかればかかるほど、また発見後も片づけや清掃に取り掛かる時間が遅れれば遅れるほど、いろいろなご遺体由来の建物への影響は激しくなります。
ご遺体をすぐに部屋から別の場所に移送することができても、部屋に残ったご遺体由来の血液や体液の影響をそのまま放置すると、より広く深刻な影響が広がってしまいます。
より早い時点で特殊清掃やリフォームを実施することが重要です。
また、片付けを行う際にも、不慣れな一般人が闇雲に作業を行うと、ニオイの原因となっているご遺体由来の血液や体液を不用意に部屋の中や周りの部屋に広めてしまうことがあり、事態を悪化させてしまうことがあります。
またご遺族が作業される際は、ご遺体の見つかった部屋の凄惨な状況に大きく動揺され、心身の不調をきたしてしまう場合も少なくないようです。
やはり、ご遺体の見つかった部屋の清掃については、特殊清掃の業者に依頼するのがもっとも近道であるといえるでしょう。
では、次にもう1つのニオイが残ってしまう理由についてご説明します。
2つめの理由は、一見ご遺体由来の影響がないように見える部屋の家具や調度品、部屋に積もったホコリにニオイの元が染み付いてしまっていることです。
該当の部屋でお亡くなりになった方がその後発見されるまでの期間、その時期の天候や季節などにもよりますが、ニオイの元が空気中を漂って移動することは多くあります。
そのため、室内でご遺体から離れた場所にあった家具、調度品や、部屋の隅、隠れた場所に積もったホコリにもニオイの元が染み付いてしまうことがあります。
時にその影響は現場となった部屋とは別の、離れた部屋まで及んでしまいます。
換気扇や空気の流れの影響や、不用意な人の出入りなどがその原因となります。
こういった場合、ニオイが染み付いてしまった家具や調度品は処分し、離れた部屋や場所に積もったホコリに関しても十分に清掃して取り去ることが必要です。
特殊清掃の作業では、ご遺体の見つかった周辺だけでなく、部屋全体の徹底的な清掃を行う業者がより望ましいのはこのためです。
窓枠の上、部屋の隅、カーテンレールの上など、すぐには見えない、普段意識していない箇所のホコリについても徹底的に清掃することで、ご遺体由来のニオイの影響を軽減することができます。
ここまで、ご遺体由来の独特なニオイが部屋に残る大きな理由2つについてご説明しました。
この2つの理由について解決した上で、適切な消臭処理をすれば独特の悪臭は消えるでしょう。
特殊清掃業者に依頼した際は、消臭処理に使われる薬剤はもちろん市販のものではなく、業務用の物品になります。
またオゾンショックトリートメント法と呼ばれる、オゾンの効果を使った特殊な脱臭機材を用いる業者もあります。
他にも、人の鼻での繰り返しのニオイの点検を行う業者、作業前後のニオイの程度を臭度計で計測することによって、的確な効果測定を行っている業者も見られます。
これまでの実績、具体的な事例などをインターネットで公開している業者、定額パックプランなどを公開している業者に依頼するのも良いでしょう。
部屋全部を解体しないとニオイは消えないのか?
先の項で説明したとおり、ニオイの染み込んだ場所を中心に、ニオイの元の空気中を漂っての移動についても留意の上、適切な消臭作業を行えば、部屋の建材をすべて解体してリフォームしなくともニオイをほぼ消すことは可能です。
孤独死や孤立死、事件事故での死亡、お一人での病死や自殺などのあった後、しばらくの期間誰にもご遺体が発見されなかった場合は、季節や気候にもよりますが、その現場がかなり凄惨な形になることが多いようです。
過去には、冬場であってもコタツに足を入れたまま亡くなったため、ご遺体の腐敗が速く進んでしまったケースや、そもそもの故人の暮らしていた部屋がいわゆるゴミ屋敷のような状態になっていたため、部屋の物品の腐敗臭や悪臭と併せてご遺体由来のニオイが加わり、近隣住民の方にも多大な迷惑をかけてしまう大規模な事態になったケースがあります。
ご遺体が発見された場所では、先ほど取り上げたような強烈なニオイ、死臭の影響のほかにも、ご遺体由来の血液や体液による二次感染の可能性、またハエやウジ、ゴキブリなどの害虫の大量発生など、さまざまな問題が発生します。
賃貸物件などの集合住宅の場合、これまでにないウジ、ハエ、ゴキブリなどの害虫の大量発生や強烈なニオイの発生による苦情が大家に寄せられ、調査の結果孤独死されたご遺体が発見されることなどが過去にありました。
また故人が直前までそこで生活していた場合、生活用品や食品、生ごみが共にそのままになっていた場合など、その生活用品の腐敗臭も問題になることがあるでしょう。
やはり部屋の片付けは、こういったご遺体の発見された部屋の清掃、原状復帰をまとめて行う特殊清掃作業ができる業者への依頼がベストでしょう。
特殊清掃の作業では、ご遺体由来の血液や体液の影響のある物品の処分、付近の床材や壁材をはがした上での臭いの影響の点検、処理などが行われます。
さらに、ご遺体由来の血液や体液からの、部屋に立ち入った人への各種感染症感染を防ぐ消毒作業や、専門の薬品、器具を使った部屋全体の消臭処理、ハエやウジ、ゴキブリなどの害虫の幼虫や卵を含めた徹底的な駆除作業も行われます。
併せて、遺品整理と呼ばれる、部屋に住んでいた故人の持ち物の処分を行う業者も多いです。
またリフォームについても、特殊清掃の業者にてそのまま請け負っていたり、リフォーム業者と連携の上、作業に取り掛かってくれる場合もあります。
こういった特殊清掃や、遺品整理、ご遺体由来の建材への損傷のリフォームは、一般的なハウスクリーニングと異なり、作業に必要な機材、装備などが大掛かりになるため、価格がやや高価になることもあるでしょう。
作業に複数人が必要な場合などもあるため、事前に見積もりをまず特殊清掃業者に提出してもらってから実際の作業に移る業者が信頼でき、その後のトラブルも少ないと思われます。
明確な見積もりを提出し、迅速に作業にあたってくれる業者を選ぶことが肝心です。
インターネットで地区名+「特殊清掃」と検索することで、特殊清掃業者を探すことができます。ご遺体の見つかった現場での出張の作業となるため、特別な事情のない限り、現場に近い地域の業者を選ぶとよいでしょう。
3.「全部解体しないと孤独死現場のニオイはきえないのか?」まとめ
- ご遺体由来の血液や体液が染み込んでしまった家具や床材を消臭して使用するのは大変困難なため、交換が妥当でしょう。
- ご遺体の見つかった周辺だけでなく、部屋全体の徹底的な清掃を行うことが望ましいでしょう