新型コロナウイルス(新型肺炎)の影響で一般人でも除菌に対する意識が高まっております。
過去には似た状況でSARSや腸管出血性大腸菌O157などの拡大で騒がれた時期もありました。
但し今回の新型コロナウイルスは、ここ東京でも感染者が日に日に増えており、今までの感染症より消毒や除菌の必要性を感じる方々がどんどん増えていることでしょう。
そこで一般人でも入手可能な新型コロナウイルス対策の商品を解説いたします。
新型肺炎の除染現場で活用する除菌(消毒)剤やオゾン機とは
- 過酸化水素水または消毒用エタノール
- 次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸水(厚生労働省推奨)
- 高濃度なオゾン機(低濃度なオゾン機では除染できない)
1.過酸化水素水と消毒用エタノール
過酸化水素水は有名な物では「オキシドール」がございます。3%の過酸化水素水をオキシドールといいます。
オキシドールは分解しなければ、一般細菌やウイルスを5~20分間で、芽胞を3時間で殺滅できると言われております。
一方、エタノールの75~80%のものが消毒用エタノールとして使われます。エタノールは飲用できるアルコールなので食品に噴霧することもあります。通常は注射の時の皮膚の消毒に使いますが、厚生労働省やWHOなどの公的機関が新型コロナウイルスの除菌に推奨しており、全国のドラックストアでは品切れ状態が続いております。
これらの過酸化水素水や消毒用エタノールは、ウイルス菌が付着していたと思われる箇所の拭き上げに活用いたします。
例えばオフィスの中を除菌するなら、PC本体(特に手で触るキーボード)や机、椅子、電話機、コピー機、ドアノブ、階段の手すり、エレベーターのボタンなどを想像出来ますが、壁などは人間の手が届く範囲の高さまで吹き上げれば十分でしょう。
1-1.拭き上げには紙タオルで行う
例えばウイルス菌が付着していたと予想されるテーブル上を拭き上げる場合、紙タオルに除菌剤を湿らせて一方向に拭き上げます。
ウイルス菌が付着していたら、行き来するとウイルスを広げてしまいます。必ず一方向で行います。
もちろん紙タオルで拭き上げする前に水拭きもウイルスを広げてしまう為にやってはいけないことです。
2. 次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸水とは
- 次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸ソーダ)は強アルカリ性
- 次亜塩素酸水は弱酸性
一般的に空間除菌剤として次亜塩素酸ナトリウムも次亜塩素酸水も孤独死などの遺体現場やウイルス菌などの消毒作業などで活用されている。
濃度(ppm)が高い方が殺菌効果は高いと言われているが、次亜塩素酸水(NaClO)の殺菌力は次亜塩素酸ナトリウム(HOCl)の約80倍と言われている。
次亜塩素酸ナトリウムであれば100ppm以上の濃度が必要となるのに対し、次亜塩素酸水では10~60ppmという低濃度でほぼ同等の効果がみられると言われています。
(厚生労働省では新型コロナウイルスに有効な可能性がある消毒方法として次亜塩素酸ナトリウムの使用を推奨している)
(経済産業省では新型コロナウイルスに有効な可能性がある消毒方法として次亜塩素酸水を選定した)
2-1.次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水の比較
項目 | 次亜塩素酸水 | 次亜塩素酸ナトリウム |
---|---|---|
標準使用方法 | 原液∼10倍使用 | 100∼60倍使用 |
有効塩素濃度 | 20~500ppm | 100~10,000ppm |
化学的性状 | 弱酸性 | 強アルカリ性 |
主成分 | 次亜塩素酸 | 次亜塩素酸イオン |
化学式 | HOCl | NaClO |
手荒れ | 極めて少ない | 多い |
環境負荷 | 少ないまたは無い | 多い |
トリハロメタン(発癌性物質) | 生成なし | 生成あり |
2-2.次亜塩素酸水とアルコールの比較
項目 | 次亜塩素酸水 | アルコール除菌剤 |
---|---|---|
除菌力 | ◎細菌・ウイルス菌を除菌可能 | △一部のウイルス菌に効果なし |
保存・保管 | ◎引火性なし | △引火性あり |
用途 | ◎使用箇所を選ばない | △濡れた箇所は使用不可 |
利便性 | 〇速乾性なし | ◎速乾性あり |
安全・環境 | ◎ダメージ最小 | △手荒れの発生 |
料金 | ◎安い | △高い |
次亜塩素酸水は、数多くの試験で除菌・消臭の有効性、安全性が確認されています。取り扱いが容易なうえ効果が高いため、さまざまな分野で注目されています。今までのアルコール除菌剤では、効果がなかったウイルス対策にもおすすめです。
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3.高濃度なオゾン機(低濃度なオゾン機では除染できない)とは
今現在、国産製品から外国製品まで多数のオゾン機が発売されております。
ここで自動車に例えると、64馬力にも満たないエンジンを搭載した軽自動車から500馬力∼900馬力もあるエンジンを搭載したスーパーカーまで存在するのと同じように、オゾン機も製造メーカーや機種によって大きく除菌や消臭の性能が異なります。
そもそもオゾンには2つの効果があることをご存知でしょうか?
- 消臭・脱臭
- 除菌・不活性化
悪臭に対しては「消臭・脱臭」を、菌に対して「除菌・不活性化」を有効に出来る優れものです。但し、市販されているオゾン機なら全てが同じ効力ある訳ではございません。
したがって高濃度なオゾン機なら、1日にも満たない時間で消臭・脱臭を完了するのに、低濃度なオゾン機なら、10日以上も稼働させないと消臭・脱臭が完了しない場合も多々あります。
CT値(オゾン効果)とは、オゾン濃度(ppm)とそのオゾン濃度に何分(min)間接触したかの積で表す値です。
CT値 | オゾン濃度(ppm)×時間(min) |
---|---|
オゾン濃度(ppm) | オゾン発生量(mg/h)÷空間容積(㎥)÷2.14÷60 |
空間容積(㎥) | 床面積(㎡)×天井の高さ(m) |
除染する密生された空間が50㎥だとして計算。
オゾン機種メーカー&機種 | オゾン生成量 | 室内容積 | CT値60 |
---|---|---|---|
ECOZON社Tiger | 12,000mg/h | 50㎥ | 33分 |
ECOZON社Pancer | 7,500mg/h | 51分 | |
国産の安価なオゾン機種 | 500mg/h | 770分 |
特殊清掃ガイド管理者(マインドカンパニー)は、「ECOZON社Tiger」3機と「ECOZON社Pancer」4機を合わせて7機所有しております。
上記表のように、室内容積が50㎥なら30分∼60分程度のオゾン燻蒸時間で不活性化できます。
4.新型コロナウイルスの除染作業に必要な安全装備とは
- 防護服
- 除染対応マスク
4-1.防護服の選び方
除染に使用する場合、化学防護服が望ましいです。化学防護服とは言っても1着1,000円にも満たないモノから1万円を超えるモノまで多数のラインナップがございます。
そこで何を基準に防護服選びをするのか?
有害化学薬品などに接する危険度の高い作業で使用できる化学防護服が望ましいです。(化学物質とバイオハザード双方に対応できる防護服)
4-2.除染マスクの選び方
除染に使用する場合、面体マスクの方が望ましいです。ここでウイルス菌には、防毒マスクか?防じんマスクか?悩むところで、メーカーに直接お問合せしたところ、「防じんマスク」を推奨するとの回答でした。
またメガネを装着する方は、面体マスクのタイプによっては装着不可能な場合もございます。また顔にジャストフィットしていることや伝声器機能付きで、しゃべれる方が作業効率は良くなります。