1.特殊清掃の資格「脱臭マイスター」についてお調べですか?
近年注目されている資格ではあるものの、まだ有名でない部分もあり、その実態について疑問に思われている方もいらっしゃるでしょう。
または、たばこやペット、火災後の焦げ臭、孤独死のご遺体由来の臭いのしみついた部屋の脱臭についてお悩みの方かもしれません。
たばこやペット、香水、香辛料、ご遺体由来の臭いなど種類は様々ですが、臭いは目に見えません。
ただ部屋の一般的な清掃をしただけではなかなか取れず、その後その部屋を使用する際の大きな妨げとなってしまいます。
さらに、特殊清掃という業種、業界についてお調べでしょうか。
特殊清掃の作業員を目指す人や、利用を検討している方にとっては、まずこの仕事、業界について知ることが重要でしょう。
このぺージでは、特殊清掃という仕事について、また特殊清掃の業界団体による資格として近年注目されている一般社団法人 日本除菌脱臭サービス協会の「脱臭マイスター」についてご説明いたします。
併せて近年の技術の進歩により考案された新しい脱臭方法(オゾンショックトリートメント法)や、その効果などについてもお伝えしていきます。
2.特殊清掃とは
まず最初に、脱臭マイスターも活躍している特殊清掃という仕事、業界についてご説明します。
特殊清掃とは、通常のハウスクリーニングや清掃で対応できない場所の清掃作業を行う業種です。
簡単に言うと主にはご遺体のあった部屋の片づけ作業になります。
その対象には、ゴミ屋敷の清掃やペットの過剰飼育の場所の原状復帰なども含まれます。
が、特殊清掃の対象として近年最もよく耳にするのは、孤独死の現場など、ご遺体があった影響が大きく残っている場所の現状復帰の作業についてでしょう。
こういった作業は、一般的なハウスクリーニング業者に依頼しても、非常に高額になるばかりか、臭いやご遺体の影響の除去という面で十分な効果を得られないことがあります。
そのため、ご遺体のあった部屋については特殊清掃の業者に一任するのがベストといえるでしょう。
また、ご遺体そのものの搬出作業を行うのは警察の管轄となりますが、その後のご遺体のあった部屋の影響の軽減については警察の業務範囲内ではありません。
髪の毛や血液、回収しきれない身体の一部などが部屋に残っていた場合も、これを片づける作業は、遺族に依頼された特殊清掃の業者の仕事になります。
作業を行う前に警察の現場検証が行われることはありますが、その際は事件性の検証を行うのみで、片付けまで警察が行ってくれるわけではないことに注意です。
あくまでその後、遺族が個人で特殊清掃業者に依頼して、事態の収拾を図る形になります。
また、孤独死の場合は連帯保証人や遺族である親族と連絡が取りにくくなっていることも多くあります。
孤独死とは、なんらかの事情で家族や親族、地域コミュニティから切り離された状態にあった方が、誰にも看取られることなく事故や病気、自殺などでこの世を去られてしまう事態のことです。
その死の際しても周りに看取る人がいなかったため、死後もなかなか関わりのあった人が見つからないことが多くあるのです。
こういった孤独死の現場は、その性質上、ご本人が亡くなられてから長時間そのままになってしまうことが多いです。
布団やこたつにはいったまま亡くなっている方、部屋の浴室で浴槽に入って亡くなっている方など、その死の状況によってはご遺体の腐敗がより早く進む場合もあります。
また、腐敗がはやく進むほど、発見された際にはより凄惨な状況となっている場合が多くあります。
人間の体は動物と同じく、ご遺体となってから3日ほどですぐに腐敗が始まります。
また、強烈な死臭と言われる臭いを発したり、染み出た血液や体液が住宅の建材を変質させる事態も多くあります。
2階以上の住居の場合の階下への影響や、近隣への臭いなどでの影響によってその死の事実が明らかになるケースも少なくありません。
死後しばらくご遺体が放置されてしまう孤独死と呼ばれる亡くなり方は、ご遺体の腐敗のため居室の建材への影響など、いろいろな弊害をもたらすこととなります。
なにより、亡くなられた方の死後、部屋がそのまま荒れ果ててしまい、ご遺体が腐敗してしまう事態はとても痛ましく、あってはならない事態といえます。
近年、単身で暮らす高齢の方が増えたことや、昔に比べて地域コミュニティの絆が薄くなったことから、こういった痛ましい孤独死の事態は増えつつあります。
この孤独死の事態などを理由に、ご遺体が長期間、専門的な処置をされずに部屋にそのまま放置され、腐敗が進むと、ご遺体由来の体液や、血液がしみだすことによって部屋の調度品や建材に影響が出てきます。
体液によって畳や床が黒く腐食したり、壁紙にしみができたりします。
一旦付着した体液や血液は浸透して建材のより深くまで影響を及ぼすため、その状態を放置することでより影響は深刻になります。
このご遺体由来の建材への影響からの原状復帰を行うのも特殊清掃の役割になります。
ご遺体由来の建材への影響については、壁紙をはがす、床板を一部交換するなどの作業や、部屋内の建築部材の取り換え、リフォームを行う形になります。
特殊清掃の業者自身がリフォームの技術を持っていたり、提携の業者に一部の仕事を任せるなどの形で、清掃の作業以外にもこういった作業を行います。
また、長時間ご遺体がそのままになっていた場所では、ウジやハエ、ゴキブリなどの害虫が発生していることもあります。
人間の体も大部分はタンパク質でできているため、こういった害虫を引き付けてしまいます。
時にはネズミなどの害獣の発生も起きています。
こういった害虫、害獣は、不衛生なばかりか、臭いと同様に近隣の家屋に影響を及ぼすことも多くあります。
たとえば孤独死の現場での害虫の大量発生により、近隣の家屋で生活している現場に大量の害虫が影響されて大量に目撃される、といった事態です。
この害虫、害獣についても、特殊清掃の業務の対象となります。
特殊清掃の実際の業務では、害虫や害獣については幼生、幼虫、卵に至るまで徹底的な駆除を行います。
これは成虫だけを一時的に駆除しても、卵が残っていればその影響が続いてしまうためです。
最後に脱臭マイスターの活躍する分野でもある、部屋にしみついた臭いの徹底的な脱臭について説明します。
孤独死の現場では、ご遺体由来の血液、体液が腐敗して発せられる、独特の死臭が問題になります。
死臭は人間が本能的に忌避する強烈な臭いであるほか、通常のにおいと同じく空気中に発せられるため、その後同じ部屋を使用しする際や隣接した近隣の家屋にたいしてかなりの弊害をもたらすこととなります。
臭いの素となっているご遺体由来の血液や体液を取り除くことはもちろんですが、それだけでは部屋全体、部屋のホコリや調度品、建材にしみこんだ臭いを脱臭することはできません。
こういった部屋の徹底的な脱臭には、単に脱臭剤を散布するなどでは不十分で、実際には専門的な処理が不可欠です。
その専門的な処理を行うため、役立つ資格が脱臭マイスターの資格となります。
3.「特殊清掃の資格「脱臭マイスター」って?」まとめ
- 特殊清掃はご遺体のあった部屋をはじめ、ペットの多頭飼育現場やゴミ屋敷など、通常のハウスクリーニングではカバーできない領域の原状復帰のための清掃、脱臭、リフォームを行う業種になります。
- 脱臭マイスターの資格は、オゾンショックトリートメント法をはじめとした脱臭方法についての講義と実習の受講により取得でき、近年の特殊清掃業界でとても注目されています。